最高裁判所第三小法廷 昭和42(オ)702 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由について。
論旨は、上告人は、上告人の元訴訟代理人弁護士Dの詐欺罪背任罪により本件確
定判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防禦の方法を提出することを妨げられたと
ころ、Dは、詐欺罪については、犯罪の嫌疑なしとして不起訴処分となつたが、背
任罪については、公訴時効の完成を理由として不起訴処分となつたものであるから、
背任罪の時効完成による不起訴処分は、民訴法四二〇条二項にいう証拠欠缺外の理
由により有罪の確定判決を得ること能わざるときにあたり、当然再審事由となる旨
主張する。しかし、背任罪の時効完成による不起訴処分が民訴法四二〇条二項の右
要件をみたすためには、さらに公訴権が時効により消滅しなかつたならば有罪の確
定判決がえられたであろうと認めるに足りる事実が証明されなければならないもの
というべきである。原審は、右と同旨の見解に立つてこの事実の存否を審按し、本
件全証拠によるも右事実は認められないと判示し、背任罪の成立を前提とする所論
再審事由の主張を採用できないとしているのであり、しかも、原審の事実の認定は
本件記録に徴し是認することができるものである。その他、原判決に所論の違法は
なく、論旨は、原審の認定にそわない事実を主張し、独自の見解に立つて原判決を
非難するに帰し、採ることができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 下 村 三 郎
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裁判官 田 中 二 郎
裁判官 松 本 正 雄
裁判官 飯 村 義 美
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